Roses and world history 〜 人間と寄り添う薔薇達 〜
薔薇はギリシア・ローマ時代など古代から、薬用・香料・祭祀・観賞といった数多くの用途で愛されてきました。キリスト教社会では神秘の象徴(白薔薇は純潔、赤薔薇は殉教)として扱われ、クレオパトラ、マリーアントワネット、ジョセフィーヌ(ナポレオン皇妃)といった歴史上の女性に愛され、イギリスの薔薇戦争(ヨーク家vsランカスター家)など世界史にもその名前が出てきます。文化面においても、ルノワールやゴッホなどの有名画家に描かれ、野バラ(シューベルトの歌曲)、夏の名残の薔薇(エルンストのヴァイオリン曲)などクラシック音楽の曲名にもなっています。私達の日本社会でも、街のお花屋さんで色とりどりの観賞用薔薇が買え、愛好家がお庭等で薔薇栽培を楽しまれ、香水や芳香剤への香りなど、薔薇は日常生活に溶け込んだ存在となっております。そして、Rosa蓼科では「美容、薬用、香料」といった分野に着目して薔薇の基礎化粧品づくりに取り組んでおります。化粧品開発に際してはローズ原料(ローズ水等)を社外調達するメーカーが殆どなのですが、Rosa蓼科は原料となるオールドローズ栽培から取り組んでいる国内でも珍しいメーカーです。薔薇のすべてを語るにはこのサイトのみでは不足かと思いますが、Rosa蓼科でオーガニック栽培されるオールドローズについて少しだけご説明させて頂ければと思います。
Varieties of roses 〜 オールドローズを栽培する理由 〜
Rosa蓼科でオーガニック栽培されているオールドローズだけど、お花屋さんで売っている薔薇となにが違うの?というご質問をよくいただきます。ロザリアン(薔薇愛好家)や園芸好きの方ならお詳しいのでしょうが、一般の方にはなかなか分かり難いと思います。そこで、ダマスクローズといった具体的品種をお話しする前にオールドローズについてご説明したいと思います。さて、薔薇は品種改良の歴史が古いのですが、大まかな時代区分でみると「ワイルドローズ、オールドローズ、モダンローズ」に分けられます。すなわち、オールドローズとは特定品種を指すものではなく、ある時代に作出された薔薇の属するカテゴリーのような意味合いを持ちます。
ワイルドローズとは、人工交配や改良がされていない野生種(原種)を意味し、北半球に約200種類が自生しています。Rosa蓼科で栽培されている薔薇のなかではハマナスやロサ・カ二ナなどがワイルドローズにあたります。街の花屋さんでみかける薔薇とは違って野原に咲く素朴な花のイメージです。
モダンローズとは、その定義には諸説あるのですが、一般的には1867年にフランスの育種家ジャン=バプティスト・ギョによって作出された「ラ・フランス」以降をモダンローズとすることが多いです。今日の花屋さんでみかける大半の薔薇がモダンローズ、剣弁高芯咲きの大輪花、色彩豊か、四季咲きといった特徴もあげられますが、観賞用として豪華、優美、綺麗といった様々な特徴を持つ薔薇品種が作られています。Rosa蓼科でも観賞用途としてスパニッシュビューティ等を栽培していますが、その色彩と大輪の花は素晴らしいと思います。
オールドローズとは、ワイルドローズとモダンローズの間(時代区分)に属する薔薇のことです。人工交配がされてはいるのですが、まだワイルドローズに近いことから薔薇本来が持つ効用や芳香に優れており、古来より蒸留水製造用の最適品種として愛されてきました。ほとんどの品種が一季咲きで年一回(Rosa蓼科では6月中旬〜7月上旬)だけ花を咲かせます。オールドローズには自然そのもので可憐で柔らかい雰囲気があります。切り花としての観賞用途はモダンローズが適していると思いますが、美容目的としては効用や芳香に優れるオールドローズが選ばれています。様々な薔薇品種が作られた現在においても、美容目的(ローズ水の原料等)としては依然としてオールドローズが用いられています。つまり、美容用途(原料)として薔薇栽培を考えますと必然的にオールドローズという選択になるのです。
Organic passion 〜 オーガニックを追い求める情熱 〜
Rosa蓼科のオールドローズがオーガニック栽培(有機JAS認定)な理由!それをお話しさせて頂きます。
まず、薔薇はご存知のとおり、栽培においては病気(ウドンコ病、黒点病等)や害虫(カミキリムシ、バラゾウムシ等)への対応が大変です。個人趣味としてまたは小規模な薔薇栽培を行う場合、無農薬でもある程度は栽培可能だと思います。しかし、栽培規模が大きくなる業務用としてはハードルが本当に高いです。Rosa蓼科では病気にかからないよう愛情を込めて薔薇を一本ずつ管理しています。カミキリムシは見つけしだい人力駆除(手で捕まえる)するなど気の遠くなるような作業を地道に取り組んでいます。
お花屋さんに並ぶような観賞用の薔薇ですと、その目的から農薬使用はやむを得ないと考えております。葉っぱや花が虫に食べられて穴があいていたり、黒点病等にかかっていたりすれば販売商品にはならないからです。しかし、化粧品原料としての薔薇を考える場合には農薬使用は好ましくありません。それは、農薬栽培の薔薇を蒸留してみるとローズ水やローズ油とは別に農薬層(液状)が採れることからわかります。それらの農薬層を除去してローズ水を採ればいいとは私達は考えません。基礎化粧品(化粧水や美容液等)はメイクアップ化粧品とは異なり、長期間にわたって肌に染み込んでいくものですから、短期的な皮膚影響で考えるべきではないからです。だから、基礎化粧品の基剤(ベース原料=Rosa蓼科だとローズ水)は残留農薬がない原料を使うべきだと考えております。
オーガニックは大変ですが、Rosa蓼科では高原特有の風土を取り込みながら栽培しております。蓼科高原の山麓に位置するRosa蓼科は吹きおろしの風が強いので通気が良く、強い太陽光、寒暖差のある四季が薔薇栽培に力を貸してくれます。農薬漬けにするのではなく強い薔薇を育むことによって病気や害虫へと向き合っております。
最後になりますが、Rosa蓼科(薔薇農園)は有機JAS認定を取得しております。創業から一貫してオーガニック栽培を行い、農園訪問されてからご購入されるお客様(オーガニックを自分の目で確認)が多いなど、当初は認定取得の必要性がなかったのですが、WEB店舗で全国の(長野まで来れない)お客様にご愛用頂けるようになったことを契機にご理解頂きやすい一つの形(有機JAS認定)として取得しております。有機JAS認定のオールドローズは国内でも珍しく、Rosa蓼科はそのパイオニアを自負しております。
Old roses in Tateshina 〜 Rosa蓼科のオールドローズ 〜
Rosa蓼科では常時10品種を超えるオールドローズを栽培しております。そのうちのいくつかの栽培品種を画像としてまとめてみましたが、化粧品原材料(ローズ水など)としての主力品種は「ダマスク、セルシアナ、ガリカ・オフィキナリス、マイカイ、ケンティフォリア」です。本社WEB(Farmの薔薇品種)にも栽培品種のことが詳しく書かれておりますのでご覧になってみてください。これらオールドローズは、知名度が高いダマスクが一番人気と思われるかもしれませんが、近年はマイカイやセルシアナの人気も高くなっております。マイカイの赤紫の花色はダマスクとは雰囲気が大きく異なり、ダマスクとは異なる強い芳香を感じることができます。同じダマスク系でもセルシアナはダマスクより花が大きく見事です。咲き乱れるセルシアナの開花をご覧いただければ人気の高さもご納得かと存じます。ガリカ・オフィキナリスの赤と黄のコントラスト、樹勢が強く小さな山のようになってしまったポールズヒマラヤンムスク、赤と白の花色を見くらべられるハマナス、秋のローズヒップの収穫などなどRosa蓼科には見どころがいっぱいです。これらのオールドローズですが、面白いことに開花のタイミングが微妙に異なっております。例年通りですと開花はマイカイから咲き始め、セルシアナやダマスクにつながり、ガリカ・オフィキナリスで終わりを迎えます。近年は同時に3〜4品種咲いている傾向が強いです。観賞用薔薇園とは趣の異なるRosa蓼科では、オールドローズの可憐な美しさと自然(土・草・藁・緑)が共存しております。開花時期は見学可能ですのでご興味のある方はご連絡(要予約)ください。実際のオールドローズを見ながらの品種説明もできます。
Roses loved by beauty 〜 美容に愛されてきた薔薇達 〜
薔薇はクレオパトラの時代より女性の美容に愛されてきました。薔薇観賞による心の美容、ローズジャムや飲むローズ水といった食べる美容、高価な化粧品原料としても利用されています。また、ローズ油は香料・アロマテラピー・祭祀といったように美容にも密接に関わる広範囲な分野に利用されてきました。薔薇の美容効果は多岐にわたる計り知れないものがございます。それらを一つずつ具体的にご説明したいのですが、Rosa蓼科の公式オンラインショップではあえて控えさせて頂きたいと思います。Rosa蓼科(フロンティア蓼科)は販売小売店ではなく直接的に化粧品製造販売業・化粧品製造業を営んでおりますので、化粧品効能につきましては薬機法(旧薬事法)の表現ルールをより強く守る必要がございます。よって、ローズ水(化粧品原料)そのものである「薔薇の美容効果」をWEBで安易に謳うことは無責任だと考えております。堅苦しいお話で大変恐縮なのですが、皆様のご理解が頂ければ幸いです。薔薇の美容効果についてご興味ある方は一般的なWEBで薔薇・効能などで検索(グーグル等)してみてください。検索結果や記事内容は保証および関与いたしかねますが、色々な考え方を知ることができます。なお、上記にも少し書かさせて頂きましたが、薔薇鑑賞による心のリフレッシュ(心の内面からの美しさ)は意外と無視できないものがございます。Rosa蓼科(開花時期)では八ヶ岳高原の麓に広がる蓼科高原の大自然とオーガニックローズを鑑賞することもできます。ご興味ある方はご相談(人数限定要予約)ください。
【Rosa蓼科のオールドローズが入った化粧品はこちらです!】
・オールドローズローション(化粧水)税込6,600円
・オールドローズローションD(化粧水)税込3,850円
・オールドローズエッセンス(美容液)税込6,600円
・ローズ&ハニーシアバター(保湿クリーム)税込4,180円
・ローズシャンプー(浴用品)税込3,080円
・ローズトリートメント(浴用品)税込3,080円
・ローズボディソープ(浴用品)税込3,080円
※上記はメーカー希望小売価格です。